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甲斐 健師; 横谷 明徳; 鵜飼 正敏*; 藤井 健太郎; 渡辺 立子
Radiation Physics and Chemistry, 115, p.1 - 5, 2015/10
被引用回数:34 パーセンタイル:94.59(Chemistry, Physical)放射線によるDNA損傷において、電子衝突電離により発生した2次電子は難修復性DNA損傷の生成に深く関与すると考えられているが、電子の熱化過程が解明されていないことから、その放射線作用は未だ十分には解明されていない。本研究では、電子の熱化過程の全貌解明のために、水中に照射された電子の熱化距離を、液相の回転・フォノン励起断面積を新たに考慮して計算した。この結果、低エネルギー領域、高エネルギー領域ともに、実験値とよく一致した。しかしながら、熱化時間については従来予測より1桁程度長くなることが分かった。このことから、従来予測に反し、電子の熱平衡化と水和前過程は同時に起こり得ることが推測された。水和前電子は解離性電子移行によりDNA損傷を誘発することから、本研究により推測された水和前過程の生成メカニズムは、2次電子によるDNA損傷の高密度化を推測するために役立つことが期待される。